来民渋うちわとは

熊本の伝統工芸品に、来民渋うちわというものがあります。これは和紙をコーティングするために表面に柿渋を塗ったもので、柿渋に含まれるタンニンの働きにより防虫効果があり、耐久性に優れた丈夫なうちわになるのです。

見た目にも年とともに色合いに深みが出て味わい深いものになり、さまざまなお祝いなどに贈られます。

来民渋うちわはもともと、慶長5年(1,600年)、四国丸亀の旅の僧が一宿の謝礼として製法を教えたのが始まりとされています。以来、県北の山鹿市の東部に在る鹿本町来民(かもとまちくたみ)で作られ、京都や丸亀とともにうちわの三大産地とされてきました。

肥後の国山鹿郡は、当時より楮(こうぞ)の木(製紙の原料)の産地とし有名であり、山鹿灯籠を製作する頑丈な和紙の産地であり、加えて竹林繁茂という土地柄もあり、当時の藩主細川候が渋うちわの製造を奨励しこの地の主要産業になっていきました。

うちわの起源は紀元前2~3世紀と古く、古来より人々の間で親しまれて続け、日本各地でこのように独自の製法が開発され、今日に伝わる由緒ある伝統工芸品なのです。


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